短編や読み切りの漫画を作りたいと思っても、アイデアやネタが次々に浮かんできてどうやってまとめてストーリーに仕上げるか迷ってしまうことはありませんか?
そこで今回は、あなたの持っている物語のアイデアを整理する方法を紹介します。
物語のネタやストーリーを作るときに大事なことは、まず『見せたいメッセージ』を決めることです。
これはテーマとも呼ばれます。
テーマとは、この物語で「こういうことを伝えたい!」という作者の想いです。
例えば、
「弱気な主人公が勇気を出して敵に立ち向かう」
とか、
「平凡な主人公が努力して夢を実現する素敵さ」
などです。
つまり、「これを描きたい!」と熱くなれるものを決めるんです。
物語を始めたばかりの初心者によくあるのは
自分が何を伝えたいのか
や
何をやりたいのか
ということを明確に言葉にできないことです。
だから、他人にも物語のテーマが分かるように伝えたいことを、具体的な短い言葉で表してみることです。
そしてそのテーマを物語作りの中心に据えます。
この中心に沿って、テーマに合うアイデアやネタかどうかを確認していくと、ネタを整理する視点が一つできます。
テーマに合わないネタやアイデアは、今回作ろうとしている物語には必要ないので除外しておきます。
除外したアイデアは、別の物語作品に使えるチャンスがあるかもしれませんから、別に保存しておくと良いでしょう。
主人公は物語のテーマとマッチしているかどうかが重要です。
物語のテーマと主人公の存在は密接につながっています。
主人公は物語のテーマを、そのキャラの性格や行動で読者に見せていく存在です。
だからテーマと主人公の方向性が一致しないと、物語はバラバラなものになってしまいます。
この主人公キャラとテーマを合わせた上でネタやアイデアを整理してみます。
テーマを表現している主人公に、相応しいエピソードやネタかどうかということです。
そうするとネタを残すかどうか、不要か必要かの基準ができます。
次はネタを絞り込んで整理する方法です。
まずは思いつくだけのネタやエピソードを全部書き出します。
100や200でも構いません。
頭の中がスッキリするくらい思いつくだけアイデアを出し切ってみます。
そして一つ一つのアイデアやネタに、2つの基準で点数を付けてみます。
1つ目の基準は、このネタは物語のテーマに合っているかどうか
2つ目の基準は、自分が面白いと思うネタや好きなネタかどうか
この2つです。
両方の基準の点数が高いものは物語に入れます。
テーマに合ってる点数だけが高いものも、物語に入れる可能性があるものです。
そしてテーマに合ってなくて自分が面白いネタは、他の創作の機会にとっておきます。
どちらの点数も低いネタはカットする。
このように4通りに分けてみます。
具体的にネタを点数化してみることで、客観的に物語に入れるべきネタかどうかが判断できるようになります。
物語で描きたいものやネタがたくさんあるのに、話作りで行き詰まってしまうという人は、完璧な話を作ろうとしすぎているのかもしれません。
そういう人は、まずは不完全でもとりあえずは話の形ができたという感じで作ってみたらいいです。
その仮の物語を土台や下書きとして、もう一度物語を作り直す方がより良い物語が作れるようになります。
物語のプロットや漫画のネームなども、仮に作ったものを元にしてもう一度そこから作り込むとクオリティが上がります。
物語のアイデアを整理するための方法として、『一定期間置いてから見直す』ということが有効です。
この方法を使うと、冗長な部分や新たなアイデアが必要な部分や説明が不十分な部分など、改善すべきポイントが客観的に分かることがあります。
一定期間置いてから見直すことは、アイデアを整理する方法のひとつです。
その物語であなたが最も描きたいシーンや絵は何でしょうか?
などの、ひとつの描きたい絵やシーンを基準にして他のアイデアを決めていきます。
基準にしたシーンや絵に合うアイデアは残し、関係ないアイデアやネタは今回は使わないという判断です。
最も描きたいビジョンからストーリーを決めていくメリットは、その絵やシーンに向かってストーリーの展開がスムーズになることです。
これが描きたいというモチベーションは、物語作りを強くサポートしてくれる効果があります。
話作りで気に入ったネタやアイデアをすべて入れると、ひとつのストーリーにまとまりにくくなってしまいます。
ひとつの物語に詰め込み過ぎると、矛盾したものになったり、話の流れが変わってしまったりして混乱の原因になります。
話作りでネタの整理ができないときは、もしかしたら詰め込み過ぎなのかもしれません。
詰め込み過ぎかどうかを確認してみるとよいでしょう。
1つのセリフごとに「このセリフで読み手に伝えたい情報は何か?」
また、1つのシーンでも「このシーンで読者に伝えたい情報は何か?」
それを作り手自身が問いかけるようにするとネタの整理に役立ちます。
そうすると不必要なセリフや、意味が不明確なシーンが見えてきます。
伝えたい情報が重複していたりしたら、どちらかを削ったり統合してひとつにまとめるといったことで、物語をすっきりわかりやすく整理できます。
話を作っている途中で、最初に目指していたものからずれてしまったり、改良していうちに話の本質が分からなくなってしまうことがあります。
そんなときに戻るべきチェックポイントがあります。
それは、そもそも『誰が何をするストーリーなのか』を思い出すことです。
すると、新たにネタを入れて改良したり修正したりするときに、話の中心軸がぶれなくなります。
修正やネタの追加などを続けているうちに、最初に思っていた「何が面白くて作ろうとしたか」を忘れてしまうことがあります。
直しや修正を続ける過程で、面白くないものに物語が変わってしまっているのです。
そんなときに気をつけたいのが、『何が面白くて物語を作ろうとしたのか』です。
多くの人は物語を作ろうとしたきっかけに、「このネタやアイデア、面白い!」というものがあったはずです。
この何が面白いと思ったかを思い出すことです。
そうすると、修正やネタの整理の時に最初に感じた面白いポイントを、最大限に活かす方法はどうすればよいかと考えて判断ができます。
このことも有効なチェックポイントになります。
物語のプロットとネーム作業の役割分担の仕方を紹介します。
プロットとは、物語の筋道や基本的な展開を決める作業です。
ネームとは、セリフの配置や画面構成やコマ割りや物語のリズムを決める作業です。
この二つの作業を明確に区別することで、話作りがスムーズに進む人もいます。
作業内容を限定することで集中力が高まり、作業が楽になる人もいます。
ですからこの方法は一度試してみるといいでしょう。
プロットとネームの役割分担をあまり気にせずに一体的な感覚で話を作る方が向いている人もいます。
ですから個人差はあります。
でも話作りでネタやアイデアが整理できずに混乱してしまう場合は、作業内容を分けて考えると打開策が見つかるかもしれません。
ネタやアイデアが他者に伝わるかどうかは判断基準の一つです。
他者といっても、物語を読む人はそのアイデアやネタに対して高い理解力を持っているとは限りません。
むしろ低い理解力でも伝わるようにする視点が重要になります。
具体的には子供が読んでも理解できる説明方法、表現方法、場面設定かどうかというポイントで物語を見直してみます。
子供には複雑なことは伝わりません。
説明不足や、自己満足な表現、難解な言葉などがあれば分かりやすくするために修正します。
作者が考えた裏設定などを十分に説明せず、そのネタを物語に盛り込んでしまっているケースがあります。
しっかりと、その物語の中で伝えたいことが伝わるように作られているか、チェックしてみます。
伝えたいことが、作品内で提示された情報だけで理解させられていないなら、物語内で伝わるようにするために問題箇所を探します。
そして、ネタを変更したり情報量を増やしたりします。
作者側は物語の全貌が見えている状態で物語を作ってしまうことが多いので、このズレが起こりやすいんですね。
おすすめは、本当に第三者に客観的に読んでもらって、わかりにくいところがなかったかなどの意見を聞いてフィードバックを受けることです。
そうすると、自分では気づきにくい不明確なポイントがわかってきます。
ストーリーを作る時のネタの整理方法を見てみました。
話作りで困ったり、アイデアがまとまらなくて悩んでいるなら、今回紹介したポイントを参考にして見直しみてください。
色々な視点からストーリーをチェックしてみることで、何が問題なのかがわかってきます。