今回は漫画の企画の作り方についてお話します。
一般的に企画とは、何か新しいことを始める際に何をするか計画を立てることを指します。
企画というと難しそうに感じますが、漫画での企画は単純です。
簡単に言えば
という自分の思いやイメージのことです。
では創作をしている人はどれくらいの人が、この創作の最初のステップである企画を考えてから漫画や物語を作っているでしょうか?
「そんなの考えてから作っているのは当然のことでしょう!」
と思われるかもしれませんが、創作するのが初めての人などではこの当然のことを考えずに飛ばしてしまって、漫画などを作りたいと言っている人もいます。
まずは自分が創りたいものを明確にする必要があります。
漫画に限らず、何かを表現し創り出そうとしている人は自分の中にある表現したいもの自分以外の人に見てもらいたい、伝えたいものをまずは明確にしています。
自分が伝えたいことを明確に具体的にしない人は、何かを創造する準備がまだ出来ていないとも言えます。
だから、あなたがもし漫画を描いてみたい、作ってみたいと思うなら一番最初にやるべきことは自分は何を描きたいのかを具体的にする企画を作ってみることです。
さて、創作するにあたってあなたは企画を作ったことがあるでしょうか?
漫画を描く初心者などでは実際のところそれほど多くはないと思います。
プロの作家や漫画の連載を狙っている漫画家や編集者はそれこそすごい量の企画を考え出して検討しています。
アマチュアとは、企画を考える量が違うんです。
考えてみればそれは当然で、作った作品をヒットさせなければ収入にならなくて生活ができなくなってしまうからです。
だからプロなどは面白い企画を立てることに真剣に取り組まざるを得ないんですね。
ではどうやって企画を作ったらいいのでしょうか?
初心者にもやりやすい簡単な企画の作る方法があります。
それは
の形式で作ってみることがオススメです。
主語はキャラクター
述語は行動
に置き換えて考えるとイメージしやすいかもしれません。
例えを出すと、
『タイトル』○○が××する話
『タイトル』もし○○が××だったら…
こういったものです。
プロットやシナリオのように長々と説明するような感じではなく一行で面白さを凝縮して「こういう話!」と短く言い切るような感じです。
この企画を考えられるだけたくさん書き出してみます。
1つや2つ出したぐらいで面白い企画ができるわけないので、まずは100個ぐらいの企画のアイデアが貯まるのを目標に考えてみます。
量を出していくことにより、質のいいものを探しだそうというスタンスです。
とりあえずこの企画を作ることが漫画や物語などの創造の出発点になります。
ここで企画を作る時に気をつけたいポイントがあります。
日常生活の中で面白い企画がふと思いついたり、閃いたりすることがあります。
その幸運な出来事もあなたのアンテナの広げ方によって、その頻度が変わってきます。
どんなことがきっかけで企画のアイデアになるかは予測できません。
映画やその日の出来事、他人のさりげない一言、小説やTV番組などがそのアイデアのきっかけとなって企画が閃く場合があります。
そのアイデアを捉えるための自分のアンテナの感度が低いと、何か面白い企画の素材が目の前にあっても、気付かないままスルーしてしまうこともあります。
だから「何かアイデアがないか」と、こちらから受信するアンテナを常に広げておく姿勢が重要です。
企画や面白いキャラなどを思いつくのは、かなり偶然性に左右されるところも多いです。
いつ良いひらめきや、インスピレーションが訪れるかわからないところがあります。
だから、ひらめいたときにすぐに書き残すことができるように、メモする習慣を身につけたほうがいいです。
メモして記録しておかないと、せっかく良い企画のアイデアが思いついても数分後には忘れてしまっている場合があるからです。
色々と考え込んで出した企画アイデアよりインスピレーションでサッと出した企画が意外と面白かったり、評判がよかったりします。
ひらめきはそういうものです。
だからインスピレーションが来たときは逃さないでそれはお宝だと思ってメモしておくことは大切です。
もっとメモを取ることのメリットや効果を知りたければ以下の記事を参考にしてみてください。
企画の主語と述語では『述語』の部分に注目を向けることです。
主語である部分は企画ではもちろん非常に大切です。
でもどんなに面白い主語を考え出しても、述語の部分が面白くなければ、その企画を展開して漫画や物語にしても、面白いものになりにくいということがあります。
「何をする」の述語の部分をどのように面白くするかを工夫すると、面白い企画の成功率がぐっと上がります。
企画が出来たら他人に話して意見を聞いてみると凄くいいです。
話してみる人は、漫画や物語に普段から接することの少ない人で構いません。
逆にそういう人のほうがいいかもしれません。
その人たちが「面白そう」と言ってくれたら脈アリの企画です。
反対に、「わからない」「あまり面白くなさそう…」などと言われたら、企画自体が一般人に分かりやすくなっていない可能性があります。
面白くて流行ったような作品は、ほとんどわかりやすい企画になっています。
面白い漫画の大きな条件の一つに、『わかりすい』という要素があります。
このわかりやすいかどうかを、企画の段階で他人に聞くことでチェックすることができます。
相手がわかっていないとすると、自分が思っているより複雑なものになってしまっているのかもしれません。
他人が企画を聞いて、面白そう、わかりやすいという基準が面白い作品にするために必要なポイントです。
多くの企画を作成したら次にやるべきことは、質の高い企画を量産するために、まずは多数の企画を試作してみることです。
30個でも100個でも200個でも可能な限り作ってみましょう。
そして次に自分で作った企画に点数を付けていきます。
面白さや分かりやすさや斬新さ、自分が実現したいと感じるものなどの観点から各企画に点数を付けてみましょう。
点数を付けることで、良い企画がどれなのか多くの中から客観的に選ぶことができます。
高得点の企画を選択することで、さらに次のステップであるプロットやあらすじ作りに移行できるわけです。
低得点の企画でも、時間が経ってから見直して改善すれば面白くなったり、他のアイデアと組み合わせて素材にもなるので、捨てずにストックしておくと良いです。
100個から厳選5個に絞るというイメージです。
絞り込んで厳選するときに役立つのが、具体的な数値である点数を付けてみるということですね。
多くの企画を考えて作ってみることには意外な効果があります。
自分が作った企画のアイデアを全体的に見渡してみると、自分がどんなことに関心があるのか、何を面白いと感じているのか、どんなことを描きたいと思っているのか、そうした自分独自の創作したい方向性や傾向性を見つけることができます。
自分の強みを見つけると言っても過言ではありません。
その強みを自分で把握しておくことは、創作においてはあなたに大きなメリットをもたらしてくれます。
それは人それぞれに創造力が最も発揮されるポイントがあるからです。
その自分が最も力を発揮できるポイントがずれていたり理解していないと、創作に取り組んでも情熱が込められない作品になってしまうリスクがあります。
極端な例ですが、バトルやアクションが好きで描きたいのに恋愛の心理描写ばかり書いていると本当の実力が出せないということです。
どんなポイントが自分がノリノリで力を出せる場所なのか知っておくと、あなたの強力な武器になります。
そのキッカケのひとつが多くの企画から自分の傾向性を探るということです。
最後に創作の企画力を向上させる方法を紹介します。
おすすめなのが、人気のある作品や名作を自分の言葉で企画に一言でまとめてみることです。
そうすることで、面白い企画がどんなものなのかが理解できます。
さらに良い企画は、何と何を組み合わせているのかその要素を分析してみることです。
例えば、
この企画の主語はネコとロボットだ
とか
この企画の述語の要素は、海と冒険だ
という感じでアイデアの要素を分解してみることです。
この練習をしてみることで、自分のアイデアの組み合わせに応用できたり自作の参考になったりもします。
漫画や物語の企画の作り方について紹介しました。
まとめると、
になります。
良い企画を作ればそれが面白い漫画や物語につながる可能性が高まります。
それだけ創作する人にとって企画は重要なんです。
面白い漫画や物語を作りたい人はぜひ、企画を考えることに挑戦してみてください。