漫画の読み切り短編ストーリー『7つの描き方のコツ』
漫画の読み切りや短編を作る際に7つの重要なポイントを解説します。

 

読み切り漫画の賞に応募したい人のために,読み切り短編漫画のストーリーの作り方を紹介します。

 

読み切り漫画を完成させたいけど、

 

途中で挫折してしまう人やストーリー作りに自分で満足できなくて話作りを諦めてしまう人、

 

ストーリーを作っている途中で内容がずれてしまってグダグダになってしまう人、

 

などの、悩みを持つ方々に創作のヒントやコツをお伝えできればと思います。

 

1:キャラクターは魅力的で面白く作ることが大事

 

漫画では、キャラとストーリーのどちらが大事かというと、キャラクターが断然重要だと言われています。

 

小説などではストーリーがメインになることもありますが、漫画やアニメなどのビジュアルを使うエンタメ作品ではキャラクターが魅力的な作品の方が、人気が高まりやすい傾向があります。

 

最近は小説でも、ストーリーよりキャラクター重視の方向であるライトノベルのジャンルでは漫画と同じように、キャラの魅力で注目されているので、小説の分野でも、キャラの重要性は増しています。

 

マンガ賞を獲得できるかどうかは、この魅力的なキャラクターが登場するかどうかがほとんどすべてだと言われています。

 

魅力的なキャラがいるとストーリーに少し不備があってもキャラの良さで物語の欠点は目立たなくなります。

 

連載作品になると、キャラに魅力があればそのキャラを見たくてストーリーが平凡でも、ついつい読んでしまいますよね。

 

それくらい魅力的で面白いキャラクターの力はすごいんです。

 

もっと極端に言えば、魅力的なキャラクターとストーリーも両方優秀な作品より、キャラに魅力があってストーリーが普通の作品の方がパロディ作品や同人誌が多く作られている現実があります。

 

人々がキャラに惹かれるのは、ストーリーもキャラも完璧な作品では二次創作する余地がないので魅力を感じにくいのかもしれませんがキャラが魅力あってストーリーが普通だと、読者がそのキャラを使ってストーリーを補完したくなるという心理が働きます。

 

つまりストーリーを少し無理やりでもキャラクターを活かすことも効果的です。

 

漫画では

 

キャラクター>ストーリー

 

なので、魅力的なキャラクターを作り出すことに集中すれば、面白い読み切り漫画を作るのに大きく近づきます。

 

2:物語は一人のキャラが1つの問題を解決すること

 

初心者やいつも完成できない人は、一つの物語の中に、色々なエピソードや人物、アイデアを入れようとしすぎてしまうことがよくあります。
投稿する読み切り短編漫画では、だいたいページ数は30~50ページくらいでしょう。

 

その中に創作者が面白いと思って様々なものを入れようとしてもまとまらなかったり、ページ数が足りなくなったりしてしまします。

 

名作と呼ばれる作品を分析してみると、意外と物語の構成自体はシンプルです。

 

そこで、『物語は一人のキャラが1つの問題を解決すること』というのストーリー作りの軸を持つことをおすすめします。

 

このポイントを押さえると、キャラクターを活かすこともできますし、物語がまとまらなくなるリスクも少なくなります。

 

ストーリー作りの軸になったり、どんな結末にするかだいたい方向性が見えると思います。

 

コツは一人のキャラが一つの問題解決するというところです。

 

これを実践すれば、物語の構成はシンプルにまとまっていくと思います。

 

『物語は一人のキャラが1つの問題を解決すること』を意識して読み切りを作ると、作品を完成させられる確率が上がります。

 

3:結末・クライマックスから考える

 

作っているストーリーが散らかってしまったり、最初に考えていた予想と全く違う話になってしまった。

 

そんな失敗を減らす方法として、結末、クライマックスから作るという方法があります。

 

ストーリーの最後が決まっていると、物語はその結末に向かってまとまっていきます。

 

物語の方向性も変な方向に展開することも最後が決まっているとなくなります。

 

そして、キャラクターが一番魅力的なシーンをクライマックスに持ってくると創作のモチベーションも上がります。

 

このシーンに向かって盛り上げていきたいという気持ちも湧きます。

 

初心者はクライマックスから考えるメリットは大きいです。

 

4:一番描きたい絵・シーンは何かから考える

 

その作品で一番描きたい絵・シーンは何かから考えてみるのも効果的です。

 

こんなシーンを描いてみたいというエネルギーは侮れないものがあります。

 

  • カッコイイ男子に予想外の告白をされてドキドキしているシーン。
  • 悪い妖怪や魔物を聖剣の力を解放して倒すシーン。

 

一番描きたいビジョンを明確に持っていると、ストーリーの売りや核になってくれるので、自分らしい作品として個性やオリジナリティも出せます。

 

好きだという情熱は読者に伝わります。

 

5:完全なオリジナル作品は世の中にない

 

物語の創作者の初心者は、自分のオリジナリティ作品を作りたいがために、他人の作品を真似したり取り入れたりすることに抵抗する人が多いようです。

 

オリジナリティ重視や真似してはダメだと思うあまり、創作できなくなるケースがあります。

 

そんな人には、『アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない』という教えが効きます。

 

この世の中のもので、全くのオリジナルアイデアだけで作られているものはありません。

 

すべて何かしらのアイデアとアイデアの組み合わせで、新しいアイデアや作品は生まれてきています。

 

だから、読み切りの新しいストーリーを作り上げたいなら、既存の作品のアイデアや要素に新しくアイデアを足しただけでも十分新しい作品なんだというマインドを持つことが重要です。

 

真似は恥ずかしいことでもなんでもないんです。

 

「学ぶ」は「マネぶ」からきているとも言われています。

 

他からアイデアを学ぶ時には、こちらの記事も参考になります。

 

⇒ネタ被りやパクリが気になる人の為の8つのアイデア発想法とマインド

 

6:まず下書きのネームを作る(いきなり完璧を求めない)

 

いきなり最初から完璧な作品を作ろうと思い、ストーリーも最初からキッチリ創ろうとすると途中で断念する可能性がすごく高くなります。
まず、第一設計図や大まかな見取り図を作る目的で、ネームを作ってみるといいです。

 

下書きなので気負わずに制作できますし、ストーリーの問題点や補強するエピソードがいるなどの判断もできます。

 

時間を短縮して、とりあえずの下書きのネームを作るときには、こちらの記事も参考になります。

 

⇒すぐに使える漫画のネームを早く描くテクニック9選

 

7:どのシーンから話を作っていくかは自由

 

ストーリーを最初から作っていかないとダメだというわけではありません。

 

好きなシーンから作っていき、そのシーンの前後ストーリーの前後を作っていく方法もあります。

 

話の重要なシーンをブロックごとに創り、そのシーンの間を自然につないでいくという方法もあります。

 

要は最初から順番に作っていかなきゃいかないという思考を変えましょう。

 

ストーリー作りに決まった順番はありません。

 

どこから作ってもいいし、それで結果面白い作品になればオッケーなのですから。

 

まとめ

 

漫画の短編読み切りのストーリー作りの秘訣について考察しました。

 

当然だよとか、分かっているよということも沢山あったでしょう。

 

しかし、初心者や作品を仕上げられなくて悩んでいる人にとっては、再確認したことや、スランプから抜け出すきっかけになるかもしれませんので、短編ストーリーを作る秘訣を紹介しました。

 

どの方法が有効かは人によって異なると思いますが、創作に役立ていただければ幸いです。