物語は、漫画や小説などの創作物において、さまざまなシーンが連なって展開されます。
そのシーンの一つひとつが、物語の魅力を高める重要な要素です。
では、シーンとはどんなものでしょうか?
多くの人は、シーンという言葉の意味を正しく理解せずに、物語を作ろうとします。
例えば、
など、本来のシーンとは異なるものを作ってしまいます。
シーンとは、単にある時間や場所で起きた出来事や人物の行動、読者に伝えたい情報を表すものではありません。
実は、もっと深い意味があります。
物語におけるシーンの本質とは何でしょうか?
シーンの本質とは、『取引の場面』です。
キャラクター同士や環境との間で何かを求め合い、譲り合い、変化が生じることです。
シーンとは、そこで何かの取引が行われている場面なのです。
登場キャラが取引に参加して、戦闘や会話が行われます。
そして取引が終わり、新しい関係や状況が生まれます。
例えば、
などです。
そのシーンで重要な取引が行われて、何かが変化します。
では、シーンはどうやって終わらせるべきでしょうか?
それは、『取引が終了した時点』です。
シーンの始まりと終わりを明確にしておかなければ、余計な説明や紹介や会話に時間を使ってしまいます。
シーンは取引の場面なので、取引が終わっているのにシーンを長引かせようとするのは良くありません。
だから取引が終わったら、すぐにシーンを切り上げなければならないのです。
そうしなければ、そのシーンはだらだらとした焦点のぼやけたものになってしまいます。
新しい取引がなければ、シーンも存在しません。
シーンとはそういうものです。
この、シーンで行われる重要な取引とは何かということは、物語全体についても考えられます。
つまり、この物語はどんな大きな取引の過程と結果で、新しい契約を作り出すものなのかを考えるんです。
物語には一つのテーマがあるはずです。
そのテーマのメッセージを物語全体の取引で伝えているかどうかです。
物語は大きな取引を通して、変化をもたらす新しい契約を見つけ出します。
そして新しい契約を発表して終了となります。
その物語全体で、どんな大きな取引を行っているのかを把握しておくことで、物語が効果的に進んでいるのかどうかも判断できます。
例えば、
こういった物語全体でどんな取引があるのかを見通せることは、大きな利点になります。
物語ではどんな大きな取引があるのかを確認することで、物語に問題点があるかどうかも見つけやすくなります。
問題点がわかれば改善もできます。
そして物語の中で大きな関係や状況を作り出す場所がどこなのかがわかっていれば、物語がどこで終わると最適なのかも自然にわかってきます。
本当は物語が終わるべきなのに、だらだらと続けて読者を飽きさせている作品も多いと思います。
ポイントは
『取引が終われば終了する』
です。
作品で大きな取引が終われば終了するということですね。
この法則は単にシーンだけに使えるわけではなく、物語全体に対しても終わるべき時を示す有効な考え方です。
物語のシーンに関する『取引とは何か』という考え方を紹介しました。
ストーリーは多くのシーンのつながりで構成されています。
それぞれのシーンをどんな視点で作り上げていくべきかを理解していることは創作者にとって重要です。
まとめると、
シーンとは
ということです。
この法則を使うと、物語の余分な部分が削除され全体の統一感も出てくるので、作品の質が向上します。