物語を作る際には、登場人物の性格や特徴を決めるのが大切な作業です。
でも、どんな人物を登場させればストーリーに合うのか迷ってしまうことも多いでしょう。
そこで、漫画や小説などの登場人物の参考になるようにキャラクターのパターンをいくつか紹介します。
キャラクター作りに困ったときはぜひ参考にしてみてください。
キャラクターが何かを失っていると感じて、それを探し求めるパターンのキャラです。
失ったものによってキャラクターの種類は様々です。
などがこのパターンに該当します。
身体的、心理的、社会的に不足したのも満足できないのも、不完全なのも、これらの埋められない空白をどうにかして埋めようという欲望がキャラクターを動かします。
不完全な存在が、完全な存在になりたいと願う動機が行動の原動力になっています。
キャラクターの『動機』は
などで、
キャラクターの『目的』は失ったものや不足したものを埋めることです。
キャラクターには二面性や二重性という人物像があります。
予想外のもう一つの面がキャラクターに備わっていることで、魅力的な人物になります。
光と闇、正と邪、表と裏など、二つの対立する要素がキャラクターの内部で混在しているようなキャラです。
例えば、
このようにキャラクターに二つの側面が共存しているような人物です。
このキャラクターパターンは、色々な面白い組み合わせを思いつくことで、個性的なキャラクターが作れます。
一つのキャラクターで二度楽しめるような人物ですね。
普通とは違う要素をどうやって組み合わせるかが工夫のしどころです。
このキャラクターパターンは
などに多く見られるキャラクターパターンです。
二つの要素をどうやって調和させるかが重要なポイントになります。
困難や望ましくない試練に直面すると多くの人は逃げ出したり、あきらめたり、行動しなかったりとネガティブな反応を見せてしまうこともよくあると思います。
でもそんな困難でも、大事なものを守ろうとしたり希望の未来のために勇気を振り絞って試練に立ち向かうキャラは好感を持って読者に受け入れられます。
立ち向かう決意をして自分を奮い立たせ運命を切り開こうとするキャラパターンです。
このような、戦う意志を持って挑戦していくキャラは自分にとって何か大事なものを持っています。
何を大事にしているのかによってそのキャラクターの性格を表すことにも使えます。
など、何をそのキャラが守りたいかが『運命と戦う決意をする』 キャラのキーポイントになります。
大事にしたいものが何かに脅され大事にしたいもの、守るために戦う決意をする。そのような人物です。
普通のキャラがヒーローに成長していくようなキャラクターにも合いそうなパターンです。
この2つの要素をどうするかで様々なキャラのバリエーションが考えられます。
先生から秀でた才能を認められたり、高貴な家系の血を引いていたりと、後継者として期待されながら、自分の思い通りに成長できない未熟なキャラです。
未熟な二代目のキャラのパターンの特徴は他者の助けを必要とし、徐々に成長していくところです。
様々な人と交流し、支援を受けながら自分の可能性を広げていくタイプです。
物語の始まりでは未熟で人々の助けが必要な傾向が多いため、年齢が低かったり、後輩的なポジションのキャラが多いです。
具体的にどのようなバリエーションがあるかというと、
などが例として挙げられます。
運命や宿命によって二代目にされる受動的なパターンだけではなくても、自らの意志で自分から後継者になろうとするというパターンも多くあると思います。
つまり、未熟なキャラが偉大な先人の足跡を辿ろうという気持ちを持って挑戦していくそのようなキャラクターになります。
『トリックスター』とは、物語において、秩序やルールに反する存在であり、物語の展開に影響を与える役割を担うキャラクターのことです。
このタイプのキャラクターは、束縛や制約を嫌い、自分の思うがままに生きる自由奔放な性格の者が多く見られます。
いたずらっぽかったり、常識外れの行動をしたり、嘘をついて人を惑わせたり、と、一見すると敵対者なのか味方なのか判断できない行動をすることもあります。
基本的に様々な事件の引き金となり、トラブルを巻き起こす存在であり、周囲の人々に与える影響は大きいものです。
自分で道化師を演じており、他者を騙しているというケースもあります。
まったく対立する二面性が同時に共存しているようなキャラクターです。
しかし、自分が起こしたトラブルがきっかけで停滞していた状況が解決するという展開もよくあります。
具体的なキャラクターの例としては、
などが挙げられます。
いたずら好きで物事を混乱させる行動をするが、最終的には良い結果に終わることが多いので、嫌われないキャラとして描かれるパターンが多いです。
このパターンは、自分で問題に対処できない状況に置かれて、他者の支援を必要としているというキャラです。
自分が直面している問題や困難を自分の能力や努力だけでは解決することが不可能な状況にあって、消極的な姿勢で人生を送っているキャラとも言えます。
この束縛されているキャラは、どのようなものに縛られているかによって、キャラクターの種類が様々に分かれます。
物理的に拘束されているパターンは、
などのパターンが考えられます。
社会的に縛られているパターンは
などです。
精神的に囚われているパターンもあります。
などの精神的縛りを抱えているパターンもあります。
何に囚われているかが、このパターンのキャラの重要なポイントです。
7:『マッドサイエンティスト』キャラクターパターン
マッドサイエンティストのタイプは、科学者という職業と関係があるわけではなく、何か一つのことに熱中し、他者からは理解されないキャラクター性を持つ人物のことです。
このタイプのキャラクターの特徴は強い自己主張を持っていて、自分の研究やプロジェクトを徹底的に追求していくという態度を持っています。
一般的にこのキャラクター性の人物は、常識が欠けているパターンが多いです。
それは、自分の基準や思考が優先にあり、独創的な世界観で暮らしているからです。
このキャラクターがどんな動機で一つのことに熱中しているかによって、キャラクターの性格の善悪が決まる面があります。
このように、どんな動機を持っているかで役柄が変わってきます。
このタイプのキャラは、1つの才能が極端に際立っているキャラにも当てはまります。
などです。
他にも性格が極端に特徴があるキャラでも該当します。
などもこの『マッドサイエンティスト』に該当すると思います。
限界まで一つのことを極めるとする性格のキャラと言ってもいいでしょう。
『裏で操る司令官』というキャラは、表に出て物事を推し進めるタイプではないです。
裏で人の心を動かしたり、策略を練ったりして物事を成し遂げるタイプです。
目標を達成するために暗躍するタイプと言えるでしょう。
味方として登場するなら
敵として登場するなら
などに応用できます。
表に出て行動できない理由を設定するとこのパターンのキャラの多様性が増します。
など、表に出て行動できない理由は『裏で操る司令官』キャラの強い存在意義となります。
人の心を動かしたり、策略や作戦を伝えたりと直接手を汚すタイプではなく、間接的に関わって影響力を持とうとするキャラです。
軍師や顧問など人に指示したり、ヒントを与えたりするタイプが相応しいでしょう。
自分の創造者に反抗するキャラのパターンです。
自分の創造者とは、
など様々なものが想定できます。
そして創造された存在の種類も
など、これも組み合わせ次第で無限にパターンが想像できます。
このキャラのタイプはよく、自分が創造されたことに対する憎しみや怒りや不満が行動の原動力になります。
その他の原動力としては、創造者を超えたいという野心や成長志向という場合もあります。
どちらにせよ、創造者に挑戦するその原動力によってそのキャラクターの性格も色々に変化します。
このキャラクターパターンの例としては
などが挙げられます。
『創造者に反逆する』キャラは、自分がこの世に存在する理由を証明するために親である存在に挑んでいるとも言えます。
未熟なキャラクターを成熟させるための教師役、心理的な導師、メンターといったキャラクターです。
この師匠役のキャラが教育したり、導いたりする相手に対して時と場合に応じて厳しくも優しく接し、その相手が歩むべき道筋を示してあげたりします。
自分は表に出ることはほとんどない役柄ですが、影で見守り、指導者としての責務を果たすような存在です。
様々なバージョンとしてふさわしそうな役割は、
などです。
人生の経験豊富な先輩が未熟な後輩を導く際に登場するキャラですね。
他のキャラクターの引き立て役になります。
そして未熟なキャラが問題を抱えて苦悩しているときに、突破口を開くきっかけを与えてくれたりするのもこのパターンのキャラの役割です。
自分が叶えられなかった願いを、後続の者に託したいと思っていたりもします。
主人公キャラが行き詰まったり挫折した時に現れて助けたりするパターンが多いでしょうから、ストーリーの中でかなり大きな存在感を放つポジションのキャラです。
高い潜在能力や才能を持ちながらも、自分の力をうまく使いこなせずに苦労しているキャラクターです。
先生役のキャラから指導を受けて成長しようとしますが、期待に沿えなかったり、失敗や事件を引き起こしたりしてしまいます。
周りの人たちに迷惑をかけることも多いので、トラブルメーカーとして扱われることもあります。
しかし、一生懸命に頑張ろうとする姿や、良いところを見せたいという気持ちが空回りすることもあるので、愛嬌のあるキャラクターでもあります。
憎めない存在感で、「またお前か…」と呆れられることもしばしばです。
物語では、主役のキャラクターを引き立てる役割を果たすことができます。
キャラクターの役割の例としては、
などが挙げられます。
予想外のトラブルを巻き起こすことで、ストーリーにスパイスを加えることができるキャラクターです。
物語に登場するキャラクターのパターンをいくつか紹介しました。
世の中の物語にはある程度の法則や類型が存在しています。
そのキャラクターのパターンを把握しておくことで、自分の作品にも活用できます。
ここで紹介した以外にもキャラクターのパターンはたくさんあります。
自分で探してみて、パターン化しておくと自分の作品に登場させるキャラクターが必要なときに役立ちます。
キャラクターの基本的な骨組み(パターン)を知っておいて、細部(バリエーション)をアレンジすれば、新しいキャラを登場させるのに便利です。