漫画や物語の創作において、自分の『面白さ』を見つける方法をお伝えします。
人が漫画や物語を読む理由は何でしょうか?
多くの方は『面白いから』とお答えになるでしょう。
作り手の側も、読者に楽しんでもらうために、『面白さ』を追求しています。
つまり、漫画や物語は『面白さ』が重要な要素であると言えます。
しかし、その『面白さ』というのは一体何でしょうか?
実は、『面白さ』というのは、読者の数だけ存在するものです。
例えば、ある人は恋愛のドラマが好きで、別の人はアクションが好きです。
同じように、漫画や物語でも、自分が面白いと感じる部分は人によって異なります。
『面白さ』という言葉には、様々な意味や要素が含まれています。
プロの漫画家や作家になりたい方は、編集者から『面白い物語を作れ』と言われることがあります。
それは、面白くなければ作品が売れないからです。
しかし、その『面白い物語』というのは、個々人の感性によって違います。
編集者と作り手の間でも、『面白さ』の基準が合わないことがあります。
そうなると、自分は面白いと思っていても、相手には伝わらないことが起こります。
だからこそ、物語を創作する際には、自分が何を面白いと感じているかを明確にしておくことが大切です。
しかし、創作する本人も、自分の『面白さ』が何なのかを曖昧にしていることがままあります。
また、他人の『面白さ』に合わせてしまって、自分の感覚を無視していることもあります。
自分の『面白さ』を見失ってしまうと、自分も楽しめない作品を作ってしまいます。
そのような作品は、読者にも魅力が伝わりません。
ですから、基本的には自分の『面白さ』を知っておくことが重要です。
では、どうすれば自分の『面白さ』を見つけられるでしょうか?
以下に3つのステップをご紹介します。
まずはメモ帳やノートなどに、これまで見たり読んだりした漫画やアニメや映画やゲームなどで、面白かったり好きだったりした作品の名前を全て書き出してみてください。
など、作品全体ではなくても、一部分だけでも良いです。
キャラクターや雰囲気が好きなだけでもOKです。
大事なのは、他人の評価ではなく、自分が本当に面白いと思ったり好きだったりしたものを、思いつく限り書き出すことです。
過去に好きだったものでも構いません。
自分が面白いと感じた作品を目に見える形で書き出して、確認できるようにすることがポイントです。
逆に、自分があまり面白くないと思っている作品は書かないでください。
それは自分の『面白さ』を見つけるのに邪魔になります。
本当に面白いと思う作品だけを挙げてください。
まずは、自分が書き出した作品達の中で、どこが面白いと思ったのかのを詳しく書き出してみましょう。
自分が書きだした作品の具体的にどんな部分が自分にとって面白くて好きなのでしょうか?
それを、書いた作品のタイトルのリストの隣に書き出してください。
作品全体を書き出すのは範囲が広すぎるので、面白さを感じるポイントを特定しやすくするために以下の項目に沿って考えてみてください。
自分が面白いと思った作品は…
1:どんな『ジャンル』に分類できる作品ですか?
2:どんな『世界観』を持っていますか?
3:どんな性格や個性の『キャラクター』が登場して面白いと思っていますか?
4:登場するキャラクターのどんな『行動』が面白かったですか?
5:登場するキャラクターの『行動する理由』にどんな興味や共感を持ちましたか?
6:作品の中で起こる『出来事やイベント』で面白いと思うところはどこですか?
7:作品の『雰囲気やムード』で好きなところはどこですか?
8:作品はどんな『時代』に設定されていますか?
9:作品はどこが『舞台や場所』になっていますか?
10:どんな話の『パターン・展開』が面白かったですか?
11:どんな『結末』になって面白かったですか?
12:どんな『アイテムや道具』が使われていて面白かったですか?
13:どんな『題材』が使われていて面白かったですか?
14:作品はどんな『感情(ワクワク・ドキドキ・緊張感など)』を自分に与えてくれましたか?
これらの質問を参考にして自分が書きだした作品から、具体的にどこが自分にとって面白いのか探してみてください。
ゆっくり時間をかけて静かな場所で自分の心に正直に耳を傾けてみます。
そうすると、面白いと思った作品のどこが自分の面白さを感じる感情の引き金になっているのかが徐々に見えてきます。
面白さを感じる部分を全部書き出せましたか?
このステップを実際にやってみると色々な自分の面白さを感じる部分が目に見える形で書き出されていると思います。
次にこれらの自分が面白さを感じている、すべての要素をざっと見てみます。
すると何か面白いと思う部分の共通点のようなものがあるのが分かってきませんか?
その面白いと思っている共通点の部分が、自分だけの『面白い』と感じる引き金の部分です。
書き出したままでは少し面白さのポイントが分かりづらいので、わかりやすくなるよう共通点をまとめておきましょう。
自分の面白いと思う共通点は…
1:どんな『ジャンル』ですか?
2:どんな『世界観』ですか?
3:どんな性格や個性の『キャラクター』ですか?
4:キャラクターのどんな『行動』ですか?
5:キャラクターの『行動する理由』は何ですか?
6:どんな『出来事』ですか?
7:どんな『雰囲気やムード』ですか?
8:どんな『時代』のものですか?
9:どんな『舞台や場所』ですか?
10:どんな『話のパターン・展開』ですか?
11:どんな『結末』ですか?
12:どんな『アイテムや道具』ですか?
13:どんな『題材』ですか?
14:どんな『感情(ワクワク・ドキドキ・緊張感など)』を与えられますか?
15:その他に共通点は何かありますか?
これらの項目に沿って面白さを感じる共通点をまとめておくと、自分で認識しやすくなります。
共通する面白さのポイントが、自分だけの面白さを感じる核の部分です。
この自分が何に対して面白いと感じているのかをはっきりと把握しておくことで、自分が何を創作したいのか、何に対して面白いと思っているのかが、明確になってきます。
そうすると、これからの自分の創作の方向性も見えてくるでしょう。
創作の基本は、作った作品を見てくれたり読んでくれたりした人に面白く思ってもらうことが基本になります。
しかし自分自身がどんなものに興味や感動を持つのかが、明確でないままに作品を作ると読者に作品の魅力が伝わりにくくなるかもしれません。
また創作者としても自分が興味や感動を持てないものを作ると苦痛になってしまいますし、そのジャンルの創作活動は継続することが困難になるでしょう。
興味や感動を持つからこそ相手と共有したいし、創作の楽しさも感じられます。
まずは自分が興味や感動を持つものを基準にして、創作を始めてみましょう。
面白いと感じることもあなたの才能の一つです。
『昆虫記』の著者であるファーブルは一生涯にわたって昆虫の研究に没頭しましたが、その功績は後世に残されています。
多くの人は子供の頃は昆虫に興味を持っていても、大人になるとその情熱は失われてしまいます。
しかしファーブルは生涯を通じて昆虫に対して面白さを失わなかったことは、昆虫という存在が彼にとって非常に魅力的なものだったからこそだと言えるでしょう。
彼だけが持つ特別な視点で昆虫を見つめ続けたからこそ、続けられたのです。
もし昆虫が嫌いな人が昆虫を研究することになったら、その時間は地獄でしょう。
でも好きな人なら楽しくできます。
これは何でも同じです。
世にある趣味の種類も様々ありますが、その趣味に対して面白さを持てるかどうかは個人差があります。
釣りでも釣りが好きな人ならば釣りをする時間は、楽しく充実したものになります。
でも、釣りに面白さを持てない人ならば釣りをする時間は、退屈で早く終わってほしいものになります。
これは漫画や小説でも同じです。
ある人は恋愛要素があると面白さを感じる人もいますし、恋愛要素がないほうが良いという人もいます。
ある人はアクションシーンが多いほうが好きですが、ある人はそういう刺激的なシーンが苦手です。
このように面白さを感じるポイントは人によって全く違います。
だからこそ、自分が本当に何に面白さを感じるのか知った上で、その面白さを共有してくれる読者の人に向けて作品を作ることが重要になります。
あなたの『面白さ』を感じるポイントを見つける方法をお伝えしました。
自分が何に面白さを感じるのかを、はっきりと理解しておくことはあなたの強みや武器になります。
自分が面白さを感じるその部分にこそ、創作においてあなたの情熱や才能や武器が隠れている場所です。
その自分だけの強力な武器を手に入れるためにも、あなたが面白く感じるものという宝物を探してみてください。